空から舞い降りた天使

二人の姿が見えていないのか、あかねがどんどん近づいてくる。



藤は俯き、一美には藤の緊張がひしひしと伝わってくる。



あかねは、何も言わずに、二人とすれ違い




「あれ?あかね?…どうしたの?」




「はぁっ、びっくりした。一美、なんでここにいるん?」



「今、私たちの横、通ったよね。」



「ご、ごめん、考え事してて、ぼっ〜としてた。」



「あれ?昨日の…」



昨日の怖い思いが蘇り、あかねの身体が震えだす。





「早崎さん、昨日は私、ひどい事を…ごめんなさい。」



「…」



「あかね、藤さんね、このままじゃあ、あかんと思ってね、山下先生に自分の気持ちぶつけたんよ」



「気持ちを…。」



「早崎さん、本当にごめんなさい。私なんてことを…」


藤の頬を涙がつたう。




「藤さん、私も好きな人がいるの。
藤さんみたいに、言えたらいいんやけど、私、素直じゃあないから、なかなかで。」




「あかね…。」




「昨日の事は、忘れることはないとおもうけど、時間がたてば、だんだん、許すこともできるかもしれへん。今はまだ…ごめん。」



「そうやね。」




「じゃあ、私、いかなあかんから。」



「うん、じゃあ、あかね、私は藤さんと帰るね。」





あかねは、山下のいる体育館にゆっくりと歩きだした。