「一美、カラオケいこうよぉ〜」



「今日はあかんねん。」



授業が終わり、藤と一美は、山下のいる、体育館へと向かう。



「ぶぅ〜さむ〜。だいぶ寒くなったよね。」




「え〜と、先生はどこかな?」





バスケのゴールに無心に、シュートをする、先生。




その一生懸命な横顔に見とれてしまう、二人。



やっぱり、先生、かっこいい。




「山下先生〜ちょっといいですか?」



きょとんとした顔で



僕?と言いたげに、自分に指をさす先生。



私たち二人は大きく頷く。




「藤さん、ここからは一人で頑張って。私、外にいるから。」



「寒いのに、ごめんね。」




「平気、平気、頑張って。」