空から舞い降りた天使

「それで、藤さんは、私に何をしてほしいの?」



「…」



「黙ってても、わからへん。」



「先生を好きにならないで、ほしいねん。」



「好きにならないで…か?」



「もし、私が、先生を好きっていったら、藤さん、どうするん?」



「その時は…
その時は…」




藤があかねを、コンクリートの壁に押しつけて、凄い剣幕で




「あなたには、桜くんがいるでしょ?
私は、あなたと違って、ずっと先生だけを見てきたの。」



と、いい、にゃっと笑ったとたん




藤の右手が光った。




「藤さん、ナイフなんか、危ない。」



藤は自分の身体をあかねに押しつけ、あかねは、身体を激しく反らし、半回転させる。




あかねの身体は震えがとまらない。