空から舞い降りた天使

その夜、山下はいきつけの居酒屋で一人で飲んでいた。



鞄の中の携帯が震えだす。


「もしもし、ミハルです。今、大丈夫?」



「大丈夫だけど、どうしたの?」



「明日の夕方、帰ろうと思って、あなたに、逢えないかしら?」



「明日、ちょうど、休みで夕方までだったら、いいよ。」



「そう、急にごめんなさい。」



「じゃあ、明日。」






もう、あなたに逢うのは最後ね。



私、あなたに


どうしても


伝えたいことがあって


ここまで


来たのだから。