浮気性な貴方

「っ」


これ以上、そこにはいられなくて屋上から飛び出るように出た。


泣きながら走って、走って。


走りすぎて呼吸が苦しくなるのも構わずに、ひたすら走って…。



ドンッ!


「キャッ!」


誰かと、ぶつかってしまった。


ごめんなさい、と声に出そうとしても出なくて…。


「あん?」


不意に名前をよばれてる。


顔を上げると、きょうちゃんがいた。


そう、私と、ぶつかったのはきょうちゃんだった。