僕、浅川 翼は小さいころから音楽教室に通っていた。 そこで出会ったのが彼女、水野 真音だった。 僕はピアノを、真音はバイオリンを習っていて、よくアンサンブルをした。 二人で演奏すると、周りが色づくように、世界が変わった。 コンクールにも、二人でたくさん出た。 多くの結果を残した僕らは、この世界では少し有名だったかもしれない。 でも、それも5年前できっぱりなくなった。 彼女が僕の前から消えた、その時から。