「美紀〜!!」



ギュッ



「しょっ翔太くん!!?」




夕陽ヶ丘学園の門の前でボーッとしていると急に翔太くんに抱きつかれた。



私と翔太くんは転校生組で、もうすでに夕陽ヶ丘の生徒である千尋くんたちは学校に登校している。



翔太くんは中学3年生。


今回のアイドル合宿はグループで3ヶ月一緒にいることが大事みたいなので翔太くんは飛び級で3ヶ月だけ高校生として夕陽ヶ丘に来ることになった。




「本当は美紀と二人っきりで家に居たかったんだけど.....まっ仕方ないよね」




私を離して、ため息をつきながら学園内に入っていく翔太くん。



その後ろを急いでついていく。



そう言えば、翔太くんの通っている中学は学ランだったな。


なんか今の格好すごく新鮮。




夕陽ヶ丘の制服はブレザーで色は紺色。


赤のネクタイに、チェックのズボン。




「翔太くん、高校生っぽい」




「まーね。美紀は男装してても可愛いね♪」




ニコッと私に笑いかける翔太くん。



「やっぱり、女にしか見えない?」



バレたらヤバいよね。



私も男装時の自分を見たが、正直ショートカットの女の子にしか見えなかった。



「そーいう目で見たらね」




翔太くんは遅い私のために歩くスピードを遅くして私に微笑む。