「テメェは何をやってんだ?」



ガシッ



刻くんの肩を掴む彼こそが私の助け船。



「何?千尋くん。スキンシップなんですけど〜」



刻くんは自分の肩を掴む千尋くんをうざそうに見つめる。




「あァん?いいから美紀を離せや」



千尋くんがギロリと刻くんを睨む。




「「......」」




「おい!!二人ともやめろ!!刻は美紀を離せ!!」



睨み合う二人を注意しながら、刻くんの腕の中から私を出してくれる祐希くん。



たっ助かったー。



「ZERO!!風華!!うるさい!!ダンスはできるようになったのか!!?」




騒ぐ私たちを注意するダンスの先生。



風華ーフウカーとは、刻くんが所属するアイドルグループ。


刻くん以外のメンバーは今日はお仕事でいないんだって。



ZEROがアイドルでダントツなら、風華はその2番手ぐらいのグループの一つらしい。



ちなみに私は刻くん以外の風華のメンバーには会ったことがない。


クラスも学年も違うからね。


刻くんは同じクラスなんだけど。