「アイドル合宿の間、美紀に会えないとか無理だよ」




「ひゃっ!!?」




耳元で雪斗くんが甘く囁く。




びっびっくりした〜。



艶やかな黒髪。


作り物並みに整った顔立ち。



出会ったときは唯一家政婦である私の存在を知っていてみんなに紹介してくれたんだよね。




「でもね、でもねだよ?だからと言って私を夕陽ヶ丘に転校させるかね?」



「転校させるんだよ。たかがアイドル合宿の3ヶ月間だろ?それぐらい我慢しろ、ブス」



吉佳さんの隣で偉そうに足を組んでこちらを見てるのが千尋くん。



明るい茶色の髪。


綺麗な顔立ち。



出会ったときからコイツはこうなんだ。




「ブスだぁ〜!!?こんの口悪男!!」



「またその名前で呼ぶか!!?ふざけんなよ!!ブス!!」