書店に入ってすぐ、凌太が奥の方のコーナーに入って行った。 「凌太、何の本買うの?」 私が聞くと、凌太はクルリと振り向いて 「なんだと思う?」 そう言った。 「まさか、自分の写真集?」 最近、凌太は自分の写真集を出したんだって。 「あたり。…って、違うよ」 凌太は拗ねたように頬を膨らませ 「俺、最近ミステリー系の本にはまってるんだよね」 「そうなの?」 バスケ一筋らしい凌太にしては意外だった。 「じゃあ、ミステリー買うんだ?」 「そ」