「おぉーい、歩くの早ぇよ」 後ろからダルそうな声が聞こえて振り向くと、大和が後ろからついてきていた。 「ちょっ…――なんでいるの!?練習は!?」 私が聞くと 「桃花、一対一(ワンオンワン)しようぜ」 私の言葉は無視して大和が誘ってくる。 「嫌!」 「あ?なんでだよ」 「大和は練習行きなさいよ!」 大和は左耳に小指を突っ込んでから、 「いーじゃねぇか。俺がやるっつったらやんだよ」 大和は立ち止まっている私に追いつくと、耳元で囁いた。 「これは、命令だ」