「次は何する?あ!オレ、クレーンゲーム得意だよ♪なんか取ってあげよっか??」
「いりません。帰ります」
そのままスタスタと歩いてゲーセンを出る。そして家に帰。。。
「まぁまぁ♪せっかく来たんだし、楽しもうよ♪」
ーーれませんデシタ。
「あの。あたし、あなたが」
「タクミね」
「あ な た が!嫌いだって言いませんでした?」
「聞いた」
「嫌いな人と一緒に居たいと思います?」
「今は、だって。だんだん好きになるから♪」
……ムカつくゆるふわ。
「今!嫌だって言ってるんです!
「ん~。じゃあ、これだけ!クレーンゲーム!
オレこれ得意だから!これやったら帰ろう!ね!」
得意とか何とかなんて知らないし。
「萌ちゃんぬいぐるみとか好きそうだもんね~♪どれ取ってほしい?」
勝手にぬいぐるみ好きって決めつけないでほし…………………………………………
「萌ちゃん?」
ゆるふわが横で不思議そうにしているけど、そんなの無視。
私の目はクレーンゲームに釘付けになっていた。
あ、あれは……あのぬいぐるみは……!
ぶうさぎ!!
ブサイク×うさぎ。略してぶうさぎ。
可愛くない憎たらしい顔がむしろ可愛くて、女子には人気。
私も最初は好きじゃなかったんだけど『ぬいぐるみ好きでしょ?』と言われ、もらったぶうさぎを見ているうちにハマってしまったという……
「もしかして、あの可愛くねーウサギが好きなの?」
「何言ってるの?可愛くないから可愛いんじゃん!」
「…………?う、うん……意味はわかんないけど好きなのはわかった」
そう言うと、ゆるふわは100円をゲーム機に投入する。
「見てろよ♪」
得意そうな顔をしたゆるふわを、思わず応援してしまっていた。