やれやれと胃を撫で下ろした…もとい胸を撫で下ろした壱吾クン。


それも束の間のコト。




「あのね壱吾クン、調理実習のジンクスのコト知ってる?」


「あ゛?………まぁ。」



好きな相手に渡す前に瀬名壱吾で度胸試しって、あれか。


……嫌な予感がひしひしとする。



苺ちゃんは得意げな顔で隠し持っていた物を差し出した。





「というわけで、コレが壱吾クンへの本当のプレゼントでーす♪」





じゃじゃーん☆



ふさふさとピンク色のカビで覆われたようなカップケーキ、再び。







「(の)ぉ~……さんきゅぅ…」




気遣い上手な壱吾クン。


かろうじてNを無声発音しました。アッパレ。