「……大丈夫か?」
「うん、大丈夫っ!」
相沢の歩幅に合わせて学校まで一緒にゆっくり歩いた。
顔を見合わせては、笑いあった。
下駄箱で上履きに履き替えている俺たち。
ぎこちない相沢に手を貸しながら俺は聞いた。
「本当に大丈夫?」
「ん?なにが?」
「……いや、だから……」
約二ヶ月ぶりの学校……いや、記憶がない相沢にしたら初めての学校。
不安や、そういったことはないのかなと思ったんだけど。
……俺はすごく不安。
相沢に真実を知られないか。
相沢が全てを思い出したりしないか。
……相沢が傷つかないか。
「不安じゃない?」
「んー……少し不安だけど。でも冬樹がいるから怖くない」
そうでしょ?と得意げな顔をした相沢に俺は笑いながら「全力で守らせていただきます」と誓った。
頼られてるのが素直に嬉しい。



