晴れ晴れとした相沢の表情を見て心の底から喜びの感情が湧いて出てしょうがない。
……情けないほど、涙が出て来る。
頑張ったんだな。
リハビリをすれば歩けるようになるとは言われていたものの、言われていた一ヶ月はとうに過ぎていた。
それでもめげずに頑張ったから歩けるようになったんだよな。
相沢、お前すげぇーよ。
「冬樹にはいっぱい心配かけてお世話になったね」
「……ううん、俺はなにもっ」
「私が辛いリハビリに耐えられたのは冬樹がいたからだよ」
杖を持っていない方の左手が俺の頬に伸びる。
手のひらが頬にぴったり触れて、親指が涙を遮るように動く。
……温かい。
「冬樹……ありがとう……っ」
彼女の細い手に、自分の手を重ねた。
優しく笑う相沢の目からも大粒の涙がこぼれていた。
ーー愛おしい、君が。何よりも。
二人で寒空の下で号泣した。
でも心は正反対にとても暖かく、幸せな気分だったーーーー…



