先に教室の方へ行ってしまった彼女を見つめていると「気になる?」と、仁が一言。
気になるかって?
そりゃあ……。
「気になるよ……」
「ふぅーん。でも興味本位なら近づかないでくれる?」
仁の言葉にカッと頭に血がのぼる。
な、興味本位って……!
「別にそんなんじゃねーよ……!」
「優夜ちゃんが傷つくだけ。てか……」
なんだよ、そのムカつく言い方。
まるで、
相沢に手を出すな……みたいな。
「やめといてくれる?」
一瞬マジな顔で、言い切った彼に次に準備していた言葉が引っ込む。
でもすぐ「なぁーんてねっ」なんて言ってヘラッとした仁。
なんなんだよ……
ずりぃよ、お前。



