それがまるで、ほんのすこし息を吹きかけただけで消えてしまいそうな、か弱い灯火だったとしても


……まだ消えてない。


そう、まだだ。

その灯りが消えていないんだから

まだ諦めるには理由が足りない。



「……くそっ……」



あれからどのくらい時間が経ったんだろう。

よどんだ空気のクラスに、みんながうつむいていた。



……相沢は生きているのか?



目を閉じては開けて。また閉じるを繰り返していた。


目を閉じれば、すぐそこには君がいて。


最後に一瞬だけ見えた相沢の清々しい顔が忘れられない。


死ぬことに躊躇がなかった。

飛び降りることに恐怖がなかったんだ。


そんな選択をさせてしまったことに今は後悔しかない。


だけど、どうかお願いだ。



ーー…相沢、無事でいてくれ。



彼女からの手紙を祈るようにずっと両手で握り締めていた。


お陰で手紙はくしゃくしゃだ。


相沢の気持ちが詰まった。

本音の手紙。