俺が弱かったから。


相沢のこと全然わかってあげられてなかったから、こんなことになったんだ。


相沢を守っているつもりで、

相沢のすべてをわかっているつもりで、


なにも、なにひとつ分かっていなかったんだ。


俺は。

俺は……!


ーーーどうしようもない、馬鹿だ。


間に合わなかった。

また後悔してる。


こうしてれば良かったとか、ああしなければ良かったとか。


なにも成長できていない。


……でも、母さん。

俺、どうすれば良かったのかな。


情けねぇよな?


ずっとずっと大切な相沢のために色々考えていたのに、なんの意味もなかった。


俺の優しさは相沢を苦しめていただけだった。


俺がぜんぶ悪いのに、涙が……止まんないんだ。



「女子が相沢をいじめてたから相沢は自殺したんじゃねぇの?」



男子の誰かが言った言葉が耳に届く。



「いじめとかなかったじゃん!!」


「どうだかなぁ!?バレーボールの時とか全然相沢にボール回してなかったの俺ら知ってんだぞ!!」


「そんなの偶然じゃん!!……男子こそ、相沢さんのこと話せないってバカにしてたじゃん!!」


「……んだと?!俺らが悪いってのかよ!?」


「じゃあ私たちが悪いって言うのッ!?」



ーーバンッ!!!!



「みんなやめろよっ!!!」



机を思い切り叩いて立ち上がる仁がキレたように怒鳴る。