相沢が何を考えてるのかさっぱりわからない。


他人の考えてることがわかったらトラブルも起きずに、みんなが悲しまずに済んだりするんだろうか。


……そんなあり得ないことを考えても同じ、か。


はぁ〜とため息を吐いて着替えを済ませると席についた。



「すいませーん!英語のプリントを回収するようにと先生に言われたのを忘れてました……!」



クラスの男子が教卓の前でみんなに呼びかけている。


あぁ、さっきやった英語のプリントか。


確か、机の引き出しに入れたような……。


机の中に手を入れると「あれ?」と、英語のプリントともうひとつ、身に覚えのない紙の手触りを感じた。


ん?なんだこれ。


取り出してみると、封筒だった。


これ……手紙……?


白のシンプルな封筒。



「冬樹へ……優夜より?」



見慣れた可愛らしい文字で書かれた名前。


急に手紙だなんて、どうしたんだよ……。


胸の中がザワザワして、眉間にシワを寄せる。