叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。



優花ちゃんのことが大好きなはずのに、
声が出ないもどかしさと
どうしたらいいのかわからない不安で


相沢は苦しんでる。

俺にはわかる。



「相沢と優花ちゃんは今一緒に暮らしてるのか?」



相沢がううんと顔を横に振る。



「……あれから一度も話してないんだよね」



再会してから、今まで。



『うん』



やっぱり、そうか。



『ふぇ……ぐすっ……はぁっ』



しくしく悲しく泣く相沢を見てるとどうしても胸が痛い。


……お願い。

もう泣かないでくれ……っ。


泣いて楽になるなら泣けばいい。


でも悲しみが積み重なるだけならどうか泣きやんで前を向いて。


一人じゃ難しいなら、俺がいる。


俺がいるから。



「……頼むから、そんなに自分を責め続けないでくれ」



なぜだか俺が苦しくなる。
相沢が悲しんでると思うと、俺の胸が張り裂けそうになる。


俺だけじゃない。
相沢を大切に想ってる人はたくさんいるから。
一人じゃないから。


悪いのは相沢だけじゃない。
すべてが相沢のせいじゃないんだよ。


二年前の事件も、今の複雑な関係も。


相沢の頭に手を伸ばして頭を撫でて、涙を拭いてあげる。

それぐらいしか出来ない。



「……相沢」



ごめんな。

こんなことしかしてやれなくて。