叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。




俺にはわからない、優花ちゃんの心の中。


そんなことを考えながら数学の課題だった数式を優花ちゃんに教えている、

ーーその時だった。



「……優夜ちゃん!?」



突然の仁の大きな声に教室がざわつく。

ただ事じゃないような張り詰めた声。


相沢がどうかしたのか……!?


席を立ってみんなが注目している教室の入り口付近を見ると、相沢が気持ち悪そうに倒れている姿が目に入った。


さっき話した時には全然気づかなかった。


具合が悪かったのか、相沢……?


相沢たちのところへ行こうとした時、俺の腕を

「待って、行かないで……」

と、優花ちゃんが掴んで引き止める。


だけど俺は彼女の手をゆっくりとおろした。



「ごめん、行かせて」



そう言いながら退かした優花ちゃんの手は思いのほかすんなりと離してくれた。