叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。



上目遣いでぷくっと頬を膨らませる優花ちゃんがすこしだけ可愛く見えた。


……相沢もよくその顔するな。


その顔が何度俺の理性を吹っ飛ばそうとしたことか。


さすが双子だな。



「相沢と優花ちゃんて似てるよね」


「よく言われる」


「顔もだけど、仕草とか……ふとした瞬間?ああ、やっぱり双子だなって思う」



教室で席に座って数学のノートを開く。



「……そんなに優夜が好き?」


「え?……うん。好きだよ」


「そっか」



ちょっとだけ元気をなくしたように見えた優花ちゃんに首をかしげる。


……優花ちゃんが俺のことを好きだなんて絶対に嘘だと言い切れる。


だって、あの頃、優花ちゃんは仁のことが好きだったんじゃないのか?


仁からそんな風に聞いたわけじゃない。
むしろ嫌われていると話された。