でも今は、君が近くに感じられてすごく嬉しいんだ。
「ぐっもぉーにーんぐ!冬樹殿!!」
教室につくなり仁のハイテンションに顔が引きつる。
毎度のことながら、こいつのヘラヘラ顔はなんかチカラが抜ける。
「……またお前は暑苦しいな」
「褒め言葉だね、それ」
「ポジティブだな」
「だっしょ?それ、俺の長所」
「短所でもある」
クスクス笑う相沢に「さっきから笑いすぎ」と言って俺も笑った。
……相沢が、幸せならそれでいいんだ。
問題を解決しなくても、時間が癒してくれることだってある。
相沢が笑ってると、俺も笑える。
仁が笑ってると、俺も嬉しい。
そうやって、大切な人と時間を重ねて、また明日を迎えたくなって。
気づけばたくさんの”明日”を迎えていて。
そうやって
たくさんの思い出を胸に
俺たちは大人になって行くんだ。



