叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。




あれは……本当に相沢なのか?



「相沢ッ……!?」



呼ぶけど彼女は隣にいる友だちらしき女の子と笑いあったまま気づかない。
遠ざかっていく彼女を追いかけようとするけどより一層人の数が多くなって、全然追いつけない。


……でも、なんかおかしい。


可能性があるとしたら。
いや、でも、そんなことって……。



「見失った……」



無我夢中で前に進んだけど、そこら中を見渡してももう彼女の姿はなかった。


一瞬だけ見た彼女の姿。


手を伸ばしても届かなかった。


その時。


突然、俺の洋服の袖を引っ張る感覚。
はっと後ろを振り向くとそこには相沢がいた。


紺色の、浴衣を着た。


相沢!!!



「どこ行ってたんだ!すげえー心配したんだぞ!!」


『ごめんなさい……』



大声を出さずにらいられなかった。