「人、ほんと多いな。相沢、迷子になるなよ……ってえーーっ!?」
「ん?どうした冬樹」
顔面蒼白。
いっきに楽しかった熱が冷めて行く。
俺の隣を歩いていた相沢が……いない。
慌てて後ろを振り向くと人、人、人。
みんなが笑顔で俺の隣を通りすぎて行く。
彼女の姿は見当たらない。
……マジかよ。
相沢、どこだよ。
「冬樹、優夜ちゃんを探そう」
「ああ、わかってる」
仁と別れて相沢を探した。
相沢は話せないからスマホに電話しても意味がない。
メールは一応送っておいたけど、メールじゃもどかしい。
くそ……っ。
浮かれてて相沢のこと見てなかった。
人混みをかき分けるように走る。
思うように進めなくて、もどかしい。



