叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。



そらさずに。



「俺が怒ってないってわかった?」



俺の言葉にコクコクッと頷いて答える相沢の表情はどことなく嬉しそうに見えた。


だから俺も嬉しくて笑ったんだ。



「行こう」


『うんっ』



右手を出したら相沢が俺の方に左手を差し出してくれた。


ーーギュッ。


彼女の温もりを感じて、なんだかこそばゆい感覚が心をくすぶる。


俺を包む空気が幸せすぎて辛い。


恋人同士ではないけれどこの繋いでいる手を離したくないって思った。


相沢を見ると視線がぶつかる。
頬がゆるんで仕方ない。


一緒にいるこの一秒一秒が愛しい。

この一瞬一瞬を大切にしていきたい。


踏みしめる一歩。噛みしめる幸せ。


涙が溢れそうなぐらいの感情。