叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。



……暑い。
夕陽はもう沈みだしている。


赤く染まった空が綺麗だなぁとぼんやり思いながら歩いていたその時、
隣にいた相沢が俺が着ているTシャツの袖を引っ張った。



「ん?どうした?」


『…………』



ちょっとご機嫌ななめな様子。
上目遣いで睨まれてる俺なにかした?



『こわい』


「こわい?」


『ふゆき、怒ってる』


「え!?怒ってないよっ」



プクッと頬を膨らませて不機嫌なことを伝えるのは夏沙と変わらない。


相沢がなんで俺が怒ったなんて思ったのかわからなくてこめかみを人差し指でかいた。


えーっと……。



「相沢?」


『なに』


「俺、別に怒ってないよ」


『うそ』



嘘じゃないよ!

どうやったら信じてくれる?