叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。




膝の上をポンポンと叩いて夏沙を呼んだ。


夏沙は不服そうに頬を膨らませながらもゆっくりこちらに来て膝の上にちょこんと座った。



「夏沙に約束しようと思うんだ」


「約束?」


「そう。なにがあっても夏沙を守るって。夏沙の味方だって。約束」



夏沙が大きくなるまで、俺がそばに居て支えるから。


ひとりには絶対しない。


不安にもさせても、絶対そばにいる。


家族だから。
たったひとりの兄妹だから。



「お母さんみたいにいなくならない……?」


「うん」


「絶対?」


「絶対」



夏沙の目を見て、心にうったえかけるように強く。


約束する。



「うんっ、わかった!」



明るく元気に笑った夏沙の頭をいっぱいなでた。