「相沢……声が……」
『うんっ!』
「すげぇーな!!やべぇ!!」
嬉しい!!
声を出すなんて普通のひとにとっては当たり前のことかもしれない。
声が出てると言うより空気でなんとなく……って感じだけど。
だけどそれは、相沢にとって、俺たちにとっては本当に尊いことで。
すごいことなんだ。
嬉しいことなんだ。
『ふ、ゆ、き』
ゆっくり力強く言わなきゃ出ないみたいだけど、それでもいい。
『あ、り、が、と、う』
焦らずにゆっくり進んで行こう。
俺は待ってる。
君の、声が戻る日を。
心から待ち望んでいるんだ。



