叔母さんの言葉にうなずいていた相沢に少し安心した。


なにも事情を知らないのに、合わせてくれたのか……。


心の中で叔母さんに感謝した。



「なにもないけど……」



とりあえず俺と夏沙の部屋に相沢を案内した。


……俺の部屋に相沢がいるってだけで、そわそわするんだが。


や!別に下心とかねぇーけどな!?

ねぇーんだけど……。


……だめだ。
そりゃ下心あるわ。
俺、健全な男子高校生なんだわ。



「お兄ちゃん、絵本読んで!……あっ、この前のお姉ちゃんだぁ!」



部屋に戻って来た夏沙が相沢を指さして叫んぶ声にびっくりした。
気づいた相沢も夏沙に笑いかける。



「こら夏沙、人を指さすんじゃない」


「はぁーい」



素直に返事をして俺に差し出した絵本。
夏沙が持ってきた絵本は偶然にもシンデレラだった。
一瞬で相沢の顔が明るくなったのがわかる。