大好きな気持ちは消えない。


どうやっても、どうしても。
愛してしまったら最後、もう出会う前には戻れない。



「相沢も、ゆっくりでいい。前に進もう」



俺の言葉に目線をゆっくりあげた相沢と目が合う。



『わたしも、いつか前に進めるかな?声が出るようになる?』


「もちろん。俺がその手伝いをする。全力で。だからこうやって辛いこととか不安とか、全部俺にぶつけて?……受け止めるから」



受け止める。

どんなことも、不安から安心に。
辛いことから幸せに。


どんな現実も変えてみせる。



「約束だ」



俺の言葉に相沢は泣きながら笑った。


その笑顔だけで十分だった。



『ありがとう』



顔を横に振って応えた。


そしてまたノートにペンを滑らせた相沢。
なんだか恥ずかしそうに表情を変えた。


どうしたんだ、急に……?


相沢の顔をハテナマークを浮かべながら覗くと『お願いがある』と口パクした。



お願い?



「なに?」