叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。




「さんきゅーな、冬樹」



仁の目に涙が浮かんでいたことは、見なかったことにした。


ありがとうって言われるのは、まだ早い。


笑って未来に行こう。
未来で笑っていられたら、言ってくれ。


今が幸せなのかは、未来の俺たちが笑って決めることなんだ。







それから時間はあっという間に過ぎて夕方になった。
あの後仁が夏沙と遊んでくれたりして。



「仁くん!また遊んでね!?」


「もちろん」


「なつね、仁くんのお嫁さんにならなってあげてもいいよぉっ」



……なんてことを言い出した。


仁と夏沙が結婚……?

想像しただけで震えるわ。


そんで、結婚は知ってるのに恋人は知らないわけね、夏沙よ。



「夏沙帰るぞ」


「うんっ、仁くんばいばい!」


「ばいばい、夏沙ちゃん。またね」


「仁ありがとな」


「全然!こっちこそありがと。じゃな」



仁に別れを告げて家までの道をルンルン気分の夏沙と手を繋いで歩いた。


午後6時なのに明るい。
日が長いなぁ。