それでも彼が好き

私の手から携帯を抜き取った翼は、

「渉さん。俺です。翼です。今雅の家にいるんですけど、雫も雅も高熱で精神的に不安定になってます。早く来てあげてください」

翼は、住所を教えた後、電話を切った。

それから、どれくらいたったのかわからないけど、私の涙は止まらなかった。

泣き続ける私を見て、心配そうな顔をする翼と、雅。

「雫、もうすぐ渉さんくるから。そろそろ泣き止まないと苦しくなるよ」

翼の声は聞こえるし、自分でも苦しいから泣きたくない。でも止まらない。


ピンポーン