「蒼依、妹の迎えの時間まで杏花のこと頼んで良いか?」


「構いませんよ」


「助かる。ありがとう」


優斗さんはやりたいことがあるらしく出て行った


「杏花、寝てろよ」


「大津君、ごめんね…。あたしなんかの為に」


杏花は薬を飲むと寝転がり謝ってきた


「謝るな。授業なんて面白くないし、俺が杏花と居たいだけ」


最後の言葉に顔を赤くした杏花


高瀬に自分の気持ちに気付かされてから“杏花ともっと居たい”と思うようになった


今まではこんな感情なんてなかったのに。


杏花だけは特別なんだ


杏花と居る時間なんてあっという間で…


歩香を迎えに行かなきゃいけなくなった


「ちゃんと戻って来るからな。ゆっくり休んでろよ」


「うん。分かった」


俺は杏花の頭を撫でて部屋を出た