----トントン


「はい…」


杏花は苦しそうな返事をする


「お昼ご飯作ったけど食べるか?杏花はちゃんと食べて薬飲めよ」


必死に起き上がる杏花を支えて座らせる


「ありがとう」


ニコッと笑ってお礼を言う杏花にドキッとする


優斗さんも俺の隣に腰を下ろした


「量は少ないかもしれないが食べてな。味は美味いか分からないけど」


「ありがとうございます。すみません」


まさか作ってくれるなんて思わなかった


「こっちこそ悪いな。杏花の面倒見させてしまって」


「良いんですよ。心配だったので」


心配なのは本当


「パパ…ママは?」


「仕事中だよ。俺と入れ違いで休憩だから待ってな」


優斗さんは杏花の頭を撫でていた


その光景が羨ましいとも思った


家族なんだな…って。


杏花の家族はほのぼのしてていいな。