「“何もしてない”って思ってる？」


「えっ…？」


杏莉さんに当てられた？


「フフッ。その顔は当たりね。蒼依君は充分すぎるほど杏花の役に立ってるわ」


その言葉を聞き少し安心。


「杏花はね、写真を撮ってる時が１番あの子らしいの」


確かに笑ってたな。


「だから、あたし達も杏花のやりたいことをさせてあげてるつもりよ」


「そうなんですね…」


「あたしも優斗も出会う前まで施設暮らしだったから出来ないこともたくさんあったの」


だから、杏花にはやりたいことをさせてるんだな


「飲み物と食べ物を持って杏花の所に行ってあげて。あの子、一度集中しちゃうと何も食べないから」


「分かりました。」


「蒼依君、改めて杏花のこと宜しくね？」


ニコッと笑って言ってくれた杏莉さんは安心したようだった