「蒼依がくれたものだもん。これを持ってると蒼依と繋がってる気がしてさ。」


杏花はシュシュを見ながら話している


「海、行くか」


思いつきだけど…


「なんで海なの?」


「なんとなく」


“なんとなくって何やねん”と杏花にツッコまれたが気にしない


むしろこの絡みが嬉しかった


杏花と歩いて近くの海に行く


まだ、暑い日が続く影響でちらほら泳ぎに来ている人が居る


「人の居ないとこが良いな」


杏花の要望通り、人の居ないところへ行く


「此処は誰も居ないから静かだね。」


杏花は俺に寄っ掛かりながら話す


「蒼依と来れて良かった」


「離れてからお互いの存在の大きさに気付くんだよな。」


「そうだね。今度こそ離れないでね?」


俺達は誰も居ない静かな場所で小さな約束を交わした