大津君が見えなくなるまでずっと見ていた


大津君に抱きしめられた時はびっくりしたけど、不安そうだった


だけど、抱きしめられると凄く心地よくて…


……安心出来た。


憧れの人と話せるなんて夢みたい


それに、男の子は怖いけど大津君は怖くなかった


「ただいま」


「お帰り。杏花、嬉しそうだな」


パパには分かるの?


「そう…かな?」


なんて良いながらソファーに座る


「蒼依、良い奴だな。」


「学園の王子様だもん。人気だよ…。ママは?」


「杏なら疲れて寝たよ。恋でもしたか…?」


ママ、体力の消耗激しいもんね


「憧れだよ。恋なんて忘れた」


もう、恋なんてしない


憧れだけで充分


「杏花は杏莉に似たんだな…」


と呟くパパは何処か懐かしそうだ