「妃奈ちゃん。あたしの彼氏に触らないでくれる?」


この甘ったるい声は久田


「誰が“あたしの彼氏”だ。あたしはアンタを大津の彼女だって思いたくないね」


……出たぞ。高瀬の毒舌


「蒼依君に釣り合うのはこのあたし。」


「杏花を苛めたのはアンタだね」


高瀬は何か勘づいたようにいう


「あたし、苛めてないよ?杏花ちゃんが蒼依君の傍に居るのが嫌になったんじゃない?」


尚も高瀬と久田の言い争いは続く


俺は何も出来なかった


「まっ、良いや。蒼依君、帰ろ?」


上目遣いで誘ってくる久田


高瀬はそれを嫌そうに見ていた


「大津、アンタってそんな奴?あたしはちゃんと杏花のことを理解してくれてたから頼んだのに。アンタに杏花を頼んだあたしがバカだった!!」


高瀬はそれだけ叫ぶと出て行った