「敏文さん、おはようございます」


「おっ、蒼依。おはよう」


敏文さんは歩香を抱きながら来てくれた


「すみません。歩香のこと任せてしまって…」


「良いんだよ。お前と歩香は私の子供みたいなものだからね」


敏文さんには子供が居ない


だからか、俺ら2人の面倒を見てくれる


「歩香、髪の毛やるか」


俺は歩香を椅子に座らせ髪を結ぶ


最初は慣れなくて苦戦していたものの今ではすぐに出来るようになった


今日は歩香の入学式


そして、俺も始業式


俺が行けないから敏文さんに頼んだ


「すみません。俺が行かなきゃいけないのに。」


「良いんだよ。蒼依も学校頑張るんだぞ」


俺は小さく頷いた


「歩香、気をつけろよ」


「はぁい!!」


真新しいランドセルを背負い敏文さんに手を引かれ出て行った