杏花が持ってきた箱にはたくさんのシュシュとヘアピンが入っていた


「集めるの好きなんだぁ」


と笑顔で教えてくれた


「蒼依にもお土産な」


優斗さんがくれた紙袋


「開けて良いですか?」


小さく頷いた優斗さんと杏莉さんを見て袋を開ける


「これ…どうして?」


中身は俺が欲しいと思ってたデジカメ


「敏文さんだっけ…?蒼依達が学校に行ってる間に訪ねて来てな…」


おじさん、来たんだ。


「もうすぐ修学旅行だし何も出来ないから何か買ってほしいって言われて。」


優斗さんは続けて話す


「杏莉が写真撮ってる姿を見てるお前を観察するとカメラが欲しいんじゃないかって思って敏文さんと相談して決めたんだ」


……めっちゃ嬉しい


「ありがとうございます」


おじさんもちゃんと考えてくれてるんだな。