ブランコに座り揺れている辻岡


彼女は何処か寂しそうな表情をしていた


「あっ…」


彼女は俺の存在に気付き驚いていた


「隣…良いか?」


「はい。どう…ぞ」


軽く怯えながらも許してくれた


「大丈夫。何もしないから。」


気付いたら目の前に行き手を握っていた


だけど、辻岡は震えてる


「怖くない。だからそのままで居ろ」


「本当?大丈夫?」


俺は小さく頷いた


「大津君、優しいもんね」


……俺が優しい?


「あたし、覚えてるんだ。入学式の日、転びそうになったあたしを助けてくれたのが大津君だったんだ」


そんなことあったな…


それは俺にとっても新鮮だったから


「あの時はありがとう」


ニコッと笑ってお礼を言ってくれた


初めて見た……


辻岡の笑顔、可愛いと思った