「2人とも気をつけるんだぞ」


敏文さんはにこやかに去っていった


「杏花、不思議そうな顔してるな。」


「だって、普段こんなの持ってないでしょ?」


“こんなの”とはカートのこと


「おじさんは変わった物を集める趣味があるんだ」


「だから、たくさんカートに乗せてたんだね」


「多分、カートは知り合いの人から貰ってきたんだろう」


蒼依は買った荷物をカートに乗せながら話す


「これで楽になったな」


蒼依はカートを押し出した


「手…繋げない」


……繋げないのか


蒼依の温もり感じてたかったのにな


「可愛いヤツ…。離れないように洋服の裾を握っておきな」


言われた通り服の裾を握る


「絶対、離すなよ」


「離さないもん」


あたしは離れないように蒼依にくっついた