辻岡と別れ俺は教室に戻る


「大津、何処に行ってたんだ?」


担任は俺の姿を見つけると理由を聞いた


「屋上です」


それだけ答えて席に着く


「蒼依、良いことあったか?」


「はっ?」


「お前、いつも暗い表情なのに明るい」


「別に何もない」


それだけ答えると机に置かれているプリントの束が目についた


“触らないで!!”と言った辻岡は怯えていた


だけど、もっと知りたいって思った


「はい。今日はここまで。」


担任の一言で我に返る


結局、辻岡は戻って来なかった


「大津、杏花は屋上か?」


担任は杏花の居場所が知りたいのか…


「はい。屋上で寝てました」


俺は素直に答える


「そっか。ありがと。お前、自分を偽ってるな」


何を言い出すかと思えば…