「お兄ちゃん…この人だぁれ?」


歩香にはどう説明したら良いか…


「お姉ちゃんって呼んで欲しいな」


俺が説明に困ってると山城がそう言った


「お姉ちゃん…?」


「そう…呼んでくれる?」


すると歩香の顔が曇った


「嫌!!この人お姉ちゃんじゃない」


歩香は荷物を持って何処かへ行ってしまった


「歩香!!待て!!」


歩香を追い掛けようとしたけど、山城に止められた


「蒼依君、あたしを置いて行かないで?」


普通の男ならこの上目遣いに甘ったるい声でノックアウトだろうけど…


俺はイライラしかしなかった


「ふざけんな。歩香はたった1人の大事な家族だ。俺はお前なんかに興味ないし妹の方が優先だ」


歩香に、もしものことがあったら大変だから…


山城を置いて歩き出す