……見たくないよ。


こんな光景なんて。


蒼依君が他の子と一緒に居るところなんて…


あたし気付いちゃった


……蒼依君のこと好きだよ


今更、遅いよね…


ただ、認めたくなかっただけなんだ


どうしたら良いか分からなくて今は使われて居ない空き教室の隅っこに座り膝掛けを被った


「……杏花?」


あたしを呼ぶ声がしてゆっくり顔をあげる


「お姉ちゃん?」


そこに居たのは未杏お姉ちゃんだった


緒方未杏(オガタミアン)


あたしのイトコ


「どうして此処に?」


「ちょっと用事があって来たら杏花が此処に入るのが見えたからさ。どうした?」


お姉ちゃんはあたしの隣に座る


「ねぇ、お姉ちゃん。恋ってなぁに?」


「杏花、恋でもした?」


“分からない”と首を振って答えた