「杏花、大津に送ってもらいなよ」


杏花は言葉に出さずに頷くだけだった


「不安そうな顔しなくて大丈夫だから。何かあったらコイツが守ってくれるから」


高瀬は俺をビシビシと叩く


叩いてすぐに高瀬は帰って行き杏花と2人だけとなった


「杏花、行くか」


杏花の荷物を持ち足を進める


「「なんで、蒼依君と杏花ちゃんが一緒に居るの?」」


俺らに気づいた女子がまた群がって来た


杏花の顔を隠すように抱き寄せた


「担任に送れって言われたから送ってるだけ」


言われたのは高瀬だけど


「杏花ちゃん、良いなぁ」


「あたしも蒼依君と帰りたーい」


俺が一緒に帰るのは杏花だけなんだけどな。


他の女と帰るなんて無理だ


杏花の負担にならないように女子の群れを避けて誰も居ない場所を目指した