12ホール


「ああ…」

「咄嗟だったからな…折角の鉛筆を雑に使ってしまった…」
本当に残念そうに諳が言う。

「また、買えばいい…諳のおかげで助かったんだからな」

紡衣がその様子をよそに、小箱から何かを取り出す。

「同じ…か…」
おもむろに机に並べる。

「これは…私の呪符か?」

「ええ…」

「大学にあったやつだな?紡衣様…コレが?」
受け取る亥月が見比べる。

「位の高い呪符なのは分かりましたが…画用紙にクレヨン…」

「仕方あるまい…子供に渡される道具など知れている…」

「まぁ…確かに…和紙と筆をねだられてもなぁ…」