「ああ…」
「咄嗟だったからな…折角の鉛筆を雑に使ってしまった…」
本当に残念そうに諳が言う。
「また、買えばいい…諳のおかげで助かったんだからな」
紡衣がその様子をよそに、小箱から何かを取り出す。
「同じ…か…」
おもむろに机に並べる。
「これは…私の呪符か?」
「ええ…」
「大学にあったやつだな?紡衣様…コレが?」
受け取る亥月が見比べる。
「位の高い呪符なのは分かりましたが…画用紙にクレヨン…」
「仕方あるまい…子供に渡される道具など知れている…」
「まぁ…確かに…和紙と筆をねだられてもなぁ…」


