そして、麻幌を呼ぶ。
「麻幌様…」
何かを感じた麻幌もドアの外を覗く。
そこには、壁にもたれる様にして座り込む警官の姿があった。
「おい、大丈夫か?」
麻幌は警官の身体を揺する。
少女が間違えたと思しき部屋の前でも、同じ状態の警官の姿を見つけた。
「亥月、誰か呼びなさい!」
「ああ…」
ナースコールに手を伸ばす亥月を麻幌が止める。
「少し待て…あの子の記憶…消して来る…」
「麻幌様…気絶してるだけとは言え、あの子も能力者ですよ?」
倒れた警官の様子を確かめながら五月女が言う。
「だからだ…警官達の記憶も…」
「…早く行けよ…コールは戻ったらするからな」
「ああ…」
ニッコリ笑うと麻幌が少女の部屋へと向かう。


