「…はい、そうです。」
「分かりました。ありがとうございます。
ところで、あなたのお名前は?
あ、ちなみに私は堀川といいます。」
堀川さんは、一度に沢山の事を話すのが癖なんだろうなと思った。
「…相沢 光(あいざわこう)です。」
「どうして事故が起こったのか教えてください。」
「…犬が……」
あまり思い出したくないが、説明した。
途切れ途切れにしか話せなかったけど、堀川さんは最後まで黙って聞いていてくれた。
「そうですか…。だいたい分かりました。
ところで、現場にいたその犬はどうしたのですか?
私たちが到着した頃には、見当たらなかったけど。」
「その犬なら、俺が知人の獣医に頼んで診てもらっています。」
「そうでしたか。なら、空さんも安心ね。」
「そうですね…。」
俺は、少し、引きつった笑顔で答えた。
「…じゃあ、また後で、詳しく教えてください。
もう、戻っていいわよ。」
俺が悲しそうに笑うのが分かったのか
もう話す事が終わったのか
どちらだか分からないけど、堀川さんはそう言った。

